以下の記事は、私が尊敬するハッカーの一人、Paul Graham氏のホームページに掲載されているEssayの1つを翻訳したものです。

Paulは、”ハッカーと画家”という書籍を発行しているのですが、その書籍には掲載されていないEssayがあるので、不定期で私のブログで翻訳して紹介していきたいと思います。

TO DOリストの一番上にある項目

2012年4月

緩和ケアの看護師として名の高いブローニー・ウェアさんが、死を直面するにあたって後悔している事についてのリストを作成した。

彼女の作成したリストは、なかなかよく出来ていて、このリストの中で、大体4から5の失敗はしてしまうんじゃないかと、私は感じている。

もし、私が彼女のリストで紹介されている事を、1言のアドバイスとして要約するとするなら、”歯車にはなるな”であると、私は思う。

ブローニーのリストが紹介する”5つの後悔”が描くのは、脱工業化社会に生きた男だ。この男の人生は、本来は無限であるはずの彼自身の”能力”や”可能性”を完全に失い、周りの環境に彼自身を小さく収め、彼が退職するまでそこから出ない人生だ。

気をつけなくていはいけないのが、上記した後悔を生み出してしまうのは、”本来やるべき事をやらないという間違い”(注1)だと思う。

例えば、かつて描いていた夢を忘れたり、感情を押し殺したり、友人を無視したり、幸せになる事すらを忘れるのだ。

”本来やるべき事をやらないという間違い”(注2)とは、危険な類の間違いである。なぜなら、自然とそうした間違いをしてしまいがちだからだ。

私は、是が非でもそのような間違いは犯したくない。

だが、ここで質問したい。あなたはどうやって”自然と犯してしまいがちな”間違いを避けるだろうか?

理想を言えば、あなた自身の人生を変革してしまうことだ。そうすることで、自然と違った行動をするようになる。

しかし人生を変えるなんてそう簡単なことではないかもしれない。

”本来やるべき事をやらない”という間違いを自然に犯してしまう限りは、あなたは意識的に”間違いをしない”と自分自身に言い聞かせなくてはならないと思う。

だから、私はブローニーの作成したリストを転換させ、新たに5つの項目を作成した。

  1. 夢を無視するな。
  2. 働きすぎるな。
  3. 何を思っているか言葉にしろ。
  4. 人々と友好的な関係を築け。
  5. 幸せであれ。

そして、私はこれらの項目を、To Doリストの一番上に掲げることにする。

原文:The Top of My ToDo List

Notes:

(注1):原文では、Errors of omissionと書かれている。ALCの英辞郎では、不作為の誤りとある。会計などで、本来含まれるはずの数値を含み忘れてしまう事を指す言葉で、この翻訳では直訳的に”本来やるべき事をやらないという間違い”とした。

(注2):原文では、By defaultという表現を使っている。本来は、PCやスマホなど、初期設定で備わっている機能に対して使う”デフォルト”という言葉に由来する。ここではわかりやすくするために、自然と間違いをしてしまいがちと訳した。